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無機塗料の特徴と代表的な商品

シリコン、フッ素よりも耐用年数が長い無機塗料

塗替えが何故必要なのか…塗装の最大の目的は、外壁や屋根の表面に塗装をする事で雨風や紫外線等から建物を守ることです。

しかし、経年と共に塗膜は劣化し粉化していきます。そのまま放置し続けると屋根材や外壁材などが、直接雨や紫外線を受けてしまい、構造体の劣化や雨漏りの要因となります。故に定期的な外壁や屋根の塗替えが必要になってきます。

塗り替えの際に使用される塗料も様々ですが、このページでは無機塗料の特徴について紹介します。

無機塗料はどんな塗料なのか?

無機物、有機物に関して簡単に言うと、無機物は生命が作り出すものではない鉱物などの事で、有機物は生命が作り出す化学物質などの事です。

無機物は、紫外線などが当たり続けても劣化しにくいという性質を持っているので、ビルのガラスや石などは、長年太陽に当たり続けていても多少劣化するのみで、樹脂塗料のようにぼろぼろに崩れる事はありません。

そして無機塗料は、この紫外線を浴びても崩れない無機物を塗料に応用すれば、より強い塗料が出来るのではないかということで開発されたものです。ただし、実際には無機物は固すぎて塗料として使用することができないので、無機物の耐久性を活かしつつ、有機物を混ぜて作られています。

無機塗料のメリット

・メンテナンス回数削減
無機塗料の耐用年数は20~25年で、高耐候性に優れているので、きれいな外壁を長く保つことができます。1回の外壁塗装にかかる費用は高額ですが、短いスパンでのメンテナンスも不要なので、予算に余裕があり、何度も住宅を工事したくない方にオススメの塗料です。
 

・燃えにくい性質
燃えにくさの事を「難燃性」「不燃性」と言い、有機樹脂だけの塗料に比べて、鉱物などを含む無機物を使用した無機塗料は、燃えづらい性質があります。しかし、先述の通り、無機塗料にも有機樹脂などの無機物以外の物も配合されているので、全く燃えない、というわけではありません。

・防汚性と低汚染性
汚れにくい性質の事を「低汚染性」、非常に汚れにくいことを「超低汚染性」と表現する場合があり、無機塗料には超低汚染性のものも多くあります。無機物を配合した無機塗料がなぜ汚れにくいのかは、以下の理由があります。

まず親水性という水と非常になじむ性質がある為、汚れが表面についたとしても、雨が降った際に汚れと壁の間に水が入り込んで、水と一緒に汚れも流してくれます。

光触媒塗料にも同じような性質がありますが、この親水性は配合した無機物にそういう性質がある、というわけではなく、あくまで親水性の材料を混ぜているから親水性の状態を維持出来ていると考えてください。

次に、無機物が配合されている無機塗料は、静電気が有機樹脂塗料よりも起こりづらい為、ゴミ等の汚れがつきにくいという点が挙げられます。

泥水がはねた、というような場合は静電気は関係なく汚れが付着してしまいますが、空気中を漂う小さなゴミ、チリなどは静電気に引き寄せられて外壁にくっついてします。さらに、ゴミがたくさんついた壁は汚く見えたり、水を含みがちになり、コケ、藻、カビなどを発生させる可能性が高くなります。

無機塗料のデメリット

・価格が高い
無機塗料はより優れた耐候性、汚れにくさを実現するために、無機物が配合されています。それ故、通常の塗料よりは高い傾向にあります。

・業者の技術、品質が求められる
塗料の中でも高耐候性で高機能な無機塗料のポテンシャルを引き出すには、正しく塗装する必要があり、塗装をする業者の技術力が低いと、どのような塗料であっても数年で剥がれてしまいます。

無機塗料ももちろん例外ではなく、高圧洗浄、ケレンなどの下地処理、下塗り、中塗り、上塗りと乾燥時間や攪拌する塗料の量を守りながら、しっかりと施工を行う必要があります。どれか一つでも間違えたり、手を抜いたりすると数年で剥がれて、塗料の耐用年数まで持たずに寿命がきてしまいます。

・艶が消せない(5分艶、3分艶などは可)
塗料には仕上がりにツヤがあるものと、ツヤがないものが存在します。全ての塗料に2種類あるわけでなく、無機塗料の仕上がりは、ツヤがあるもののみになります。

大手メーカーからはツヤを完全に消せる高機能な無機塗料は出ておらず、消すことが出来たとしても艶調整を行って5~3分艶までのようです。ただ、せっかくの高耐候性無機塗料なので、出来れば調整しない方が良いです。艶を調整すると、塗りムラが出来やすくなってしまうので、全くツヤがない仕上がりを希望する場合には不向きな塗料になります。

無機塗料の施工単価(m2)はいくらくらいか?

無機塗料は材料に応じて単価は異なります。

戸建て300㎡以下の塗装の場合、中塗り、上塗り2回塗り仕上げで、材料と施工費合わせて5,000円前後が一般的な単価設定になります。

弊社で無機塗料を選ばれるお客様の割合


アクリル0%、ウレタン10%、シリコン20%、ラジカル制御40%、フッ素15%、光触媒0%、無機塗料15%

こんな方にオススメする塗料です

・メンテナンスに手間をかけたくない方
・費用が高くても、綺麗な外観を長く保ちたい方
・塗装工事を何回もしたくない方
・外壁を高い効果で保護したい方

以上のような方におすすめです。無機塗料の効果や性能が魅力に感じるようなら、塗装工事で使用する塗料の候補に入れてみてください。

オススメの無機塗料

日本ペイント

・アプラウドシュラスターNEO 水性・2液型
・ハナコレクション500コート 水性・1液型

関西ペイント

・ムキフッソ 弱溶剤・2液型

エスケー化研

・スーパーセラタイトF 水性・1液型

アステックペイント

・超低汚染リファイン1000Si‐IR
・超低汚染リファイン1000MF-IR
・スーパーシャネツサーモF
・無機ハイブリッドコートJY

代表的な無機塗料

日本ペイント

・アプラウドシュラスターNEO

関西ペイント

・アレスシルクウォール

エスケー化研

・スーパーセラタイトF

アステックペイント

・無機ハイブリッドコートJY

無機塗料に関するよくある質問

1.無機塗料は、ひび割れしやすい塗膜だと聞いたのですが、本当でしょうか?

無機塗料には、石や鉱石などの成分が多く含まれています。そのため他の製品に比べて、塗った後に固まってできる塗膜が硬いという特徴があります。そのため、地震などで建物が揺れた場合には、衝撃に耐えられず、ひび割れが起きやすいリスクも潜んでいます。

対応策としては、弾力性や伸縮性が高い有機成分が混ざったタイプの無機ハイブリッド塗料で施工してもらう方法があります。塗装する前に、外壁材やすでに塗装してある旧塗膜の状態を見てもらい、適切な塗料を提案してもらいましょう。

2.艶なしがないと聞いたのですが、本当でしょうか?

塗料の多くはツヤありかツヤなしを選択できますが、無機塗料はツヤありのみの塗装になります。ただツヤの程度の指定はでき、5分ツヤ・3分ツヤと調整は可能となっています。

ツヤ独特のまぶしい感じが苦手な方には、無機塗料の使用は向いていないかもしれません。

3.相性が悪い外壁材があると聞いたのですが、本当でしょうか?

伸縮性の低い無機塗料は、気候条件などによって収縮する素材には塗装できないので、塗装が難しい、相性の悪い外壁材が存在します。

例えば、サイディングボードやガルバリウム鋼板、木材などには塗装できないという無機塗料もあるので、使用する際は、現在の外壁や屋根に塗装ができる無機塗料を選ぶようにしましょう。

3.本当に20年物間、メンテナンスしなくても大丈夫なのでしょうか?

立地条件によって外壁の塗料自体は持つかもしれませんが、シーリングやその他の付帯部分が劣化してくるので、20年間完全ノーメンテナンスは、現実的には厳しいと思って下さい。

まとめ

耐用年数が長い、汚れにくい、燃えにくいなどのメリットがある無機塗料ですが、それは大手メーカーが作っている信頼出来る塗料である場合のみのお話しです。先述いたしましたが、大手メーカーとは日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研のみなので、それ以外のメーカーの無機塗料は基本的にやめておいた方が良いでしょう。

信頼出来ないメーカーというのは無機塗料でなくても不安が残る部分が多く、「20~30年ほど持つといわれた塗料が数ヶ月で剥がれてきた」なんてことは本当によくあることです。10年保証がついている塗料だとしても、「施工には問題ないので保証対象外」などで悔しい思いをされている方もたくさんいます。

このような場合は、保証されていないのと同じなので、どのような理由があっても、大手メーカー以外の塗料は控えておいた方が良いです。

もちろん、大手メーカー以外の塗料であっても、すばらしいものはあるのかもしれませんが、判断する材料がありません。それを自身の家で試すとなるとリスクが高すぎるのです。本当にもつかどうかがわからないような「30年もつ塗料」よりも、信頼出来る大手メーカーの「20年もつ塗料」の方がずっと安心です。

無機塗料というのは「非常に良い塗料」というイメージがついており、多少高くても売れる塗料なので、多くのメーカーが無機塗料を作っています。しかし信頼出来るのは一握りなので、十分に見定めた上で使用しましょう。

善し悪しが判断できなければ、無機塗料を無理に使う必要はなく、シリコン塗料やフッ素塗料でも十分です。

もう一点気をつけておきたいのは、いくら信頼できる大手メーカーの塗料であったとしても、施工方法でどうとでも低品質になり得ます。例えば、下地処理をしっかり行っていない、塗料を薄めて使うなどの手抜き工事です。そういった手抜き工事を行わない、しっかりとまじめに施工出来る業者を探す事も必要です。

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