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外壁塗装のチョーキング現象の原因と補修方法

チョーキングは塗替えのサインの一つです!

チョーキングは、手や服が触れた際に汚れるくらいで、見た目には特に影響がなさそうに見えます。

しかし、塗料に含まれている顔料が紫外線や熱、風雨などの自然現象により劣化し、塗膜の効果が切れ始めたときに起こります。「今すぐに塗装しないと大変なことになる!」ということはありませんが、塗替えを検討するサインです。

ここでは、チョーキングの原因や確認方法などを説明していきます。

チョーキング現象とは

チョーキング現象とは、外壁塗装面の劣化現象の一つです。塗料に含まれている顔料が紫外線や熱、風雨などの自然現象により劣化し、チョークのような粉が出てきてしまう事を言います。

チョーキングしやすい箇所は、紫外線の影響を受けやすい日当たりの良い南側や、強い西日が当たる面、常に紫外線の影響を受けやすい2階、3階の壁や、日影が出来ないバルコニー等です。

粉の色は基本的には白いですが、外壁のお色に似たカラーの粉末が手に付着する場合、チョーキング現象である可能性が高いです。

手や服が触れた際に汚れるくらいで、見た目には特に影響がなさそうに見えますが、チョーキング現象が出たら外壁塗装を検討するサインと言われています

理由は下記の通りです。

・カビやコケ、藻などが発生する原因になる

・塗料が持つ外壁を守る働きができない為、放置してしまうとクラック(ひび割れ)を起こす危険性がある

・放置し、クラック(ひび割れ)ができると、そのひび割れから壁の中に水が浸入し雨漏りの原因となる

余談ですが、雨漏りの原因は屋根よりも外壁からの割合の方が多いので、クラックが発生する前にチョーキング現象が出た時点で、プロに診断してもらう事をオススメします。

チョーキング現象の原因

■経年劣化

外壁や屋根は、室内とは違い、紫外線や雨、風、砂ぼこり等、毎日のように刺激を受けています。このように、常にダメージを受けている塗料の樹脂成分は、徐々に分解されて顔料が粉に戻ります。

特に、白色顔料(酸化チタン)が粉に戻って外壁の表面に現れる事が多いため、白い色や淡い色の壁で起こりやすいですが、濃い色の壁であればチョーキングが起きない訳ではありません。

クリヤー(クリア)塗料の場合、顔料を使用せずに作られているため、チョーキングは発生しません。しかし、他の塗料と同じように劣化はします。

■施工不良

本来あってはならないことですが、業者の施工不良によりチョーキングが発生する場合があります。

・高圧洗浄時の手順を間違えてしまった
・高圧洗浄、塗装を行った後、乾燥させる期間が不足していた
・下地処理の技術不足、不手際
・雨天時対応塗料ではないにも関わらず、塗装作業を行った
・塗料使用料の規定を守らなかった
・立地環境を考慮しない塗料を塗布した

「立地環境を考慮しない塗料を塗布した」について言うと、基本的には塗料は最低でも3~5年持ちます。しかし、「紫外線が特に強い地域」や「害が発生しやすい」、「近所にグラウンドがあり砂ぼこりにまみれやすい」、「常に日影になっているためカビ・コケ・藻が発生しやすい」等、周囲の環境に左右されます。

そのため、立地環境を考慮しないで、塗料を選ぶと予定よりも早く劣化することがあります。これを防ぐためには、地域の事をよく理解していて、的確な塗料を提案してくれる会社を選ぶことが重要となります。

チョーキング現象の確認方法

■手で触って確認する

触ったら白い粉がつく、という方法がありますが、具体的には
・うっすらと手につく程度:そろそろ検討時期
・しっかりと手につく:できるだけ早めに塗装を行った方が良い

■水で濡れると変色する

雨等で濡れた時に、壁の色が普段と違うときも注意が必要です。防水効果が切れてきているため、壁が水をはじくことができず、吸い込み始めている状態です。

そのままにしておくと、吸い込み続けてしまい、雨漏りの原因や、建物自体の劣化を早める原因となるので、早めの対処が必要です。

補修方法と費用

代表的な補修方法は、新しく塗装することです。チョーキングが起こると、今の塗膜が機能していない状態なので、高圧洗浄で綺麗にしても根本的な解決にはなりません。

基本的に、業者に依頼して塗替えをオススメします。理由はいろいろとありますが、既に劣化している壁を、素人が高圧洗浄を行ったり、ブラシで擦って洗浄したりするのは、余計に壁を傷める結果になる可能性が高いからです。

補修方法の手順は下記のとおりです。

■1.高圧洗浄

汚れが残ったまま、上から塗料を塗り重ねても、壁と塗料の間に隙間ができてしまい、すぐにはがれてしまったり、膨れの原因となるので、しっかりと洗浄を行います。

■2.養生

余計なところを汚さないように、また、塗り際が綺麗になるように、養生を行います。

■3.下地処理

ただ高圧洗浄を行い、塗料を塗るだけでは意味がありません。壁には細かいクラック(ひび割れ)や、シーリングの劣化も多々ある事でしょう。まずはそれらを丁寧に補修します。

■4.足場架設

ハシゴでは事故の危険性が高いため、安定した足場を架設し、作業を行います。2階や3階も塗りやすくなります。

■5.下塗り

中塗り材や上塗り材を壁に定着させるために、プライマーなどを使用して下塗り塗装を行います。他にも、下地によっては中塗り材、上塗り材を吸い込みすぎてしまう場合があるため、吸い込みすぎを防ぎ、上塗りの密着性を高めるために必要な作業です。

■6.中塗り

中塗りは基本的に上塗りと同じ塗料を利用します。

■7.上塗り

仕上げとなる大事な作業です。塗料には既定の量があり、その塗布量を守ることで、塗料の性能が発揮されます。

この塗の工程では、特に乾燥時間が重要となってきます。季節によって乾燥期間は全く違うため、その場その場での現場の判断が重要となります。この期間を守らないと、仕上がりに影響が出るだけではなく、性能自体を発揮できなくなったり、思ったよりも早くチョーキングが発生する原因となります。

リフォームの費用は、高圧洗浄費が1㎡につき相場で、約200~500円、塗装代が㎡あたり相場で1,700~5,000円前後です。もちろん、使用する塗料によっても値段は変わってきますので、建物診断を受け、見積を出してもらう場合は、複数のパターンでの見積を請求することをオススメします。

チョーキングしない塗料はあるのか?

チョーキングが全く起こらない塗料は存在しません。(劣化はあるものの、チョーキング自体は発生しないという意味であれば、先に紹介させて頂いた、クリヤー(クリア)塗料がそれに該当しますが、劣化は発生します。)そのため、その家に後何年位住む予定か、予算はどの程度か、等複合的に検討しましょう。

塗料によって耐候年数は変わります。無理に耐候年数が一番長いものを選ぶ必要はありません。お子様に代々引き継ぐ方もいらっしゃれば、引き継ぐ予定はないので、あと数年持てばいい、などと色々と検討材料はあるかと思います。

見積を請求する前に、ある程度何年住む予定か、どなたかに引き継ぐ予定か、予算はどの程度か、等も含め検討しておくと、それにあった見積を出してもらえるので、検討しやすくなります。

チョーキング現象を利用した悪徳業者に注意!

チョーキングは、誰でも簡単に、確認することができるため、その現象を利用しようとする業者も多いので注意です。

特に、突然やってきて壁に触ったり、勝手に家の周りを見て回り、売り込みをかけてくる訪問販売には注意しましょう。何かと理由をつけて急かしてきますが、そういう時こそ、しっかりと複数社に見積を依頼し、検討しましょう。

色々な言葉で不安を煽ってきますが、チョーキングが起こったからと言って、すぐに壁が倒壊することや、すぐに雨漏りが始まることはありません。

絶対にその場で契約などは行わず、正しい知識を持って、正確な建物診断を行ってくれる職人・会社を探して複数社から見積、いただくようにしてください。

まとめ

チョーキング現象について、ご説明させて頂きました。気を付けてほしいのは、下記の事項です。

・チョーキングには程度があり、軽く着く程度であれば検討時期。しっかりと手に付着するようであれば、早めに塗装を行った方が良い。

・汚れているからと言って、自分で汚れを落とそうとすると、かえって壁を傷つけてしまう可能性が高いので、まとめてプロに任せた方が良い。

・施工不良により、予定年数よりも早く劣化する場合がある。

・周りの環境により、傷みやすい壁、そうではない壁がある。

・チョーキングが発生したからと言って、焦って訪問販売業者と契約を行うのはNG。

・チョーキングが発生したら、正確な建物診断を行ってくれる職人・会社を探し、複数社から見積もりをもらい検討すること。

最近は特に、訪問販売による被害が増えています。突然やってきて、不安を煽ったり、「今だったらこの価格がこの割引でできます!」などと、お得感で迫ってくる場合もあります。

何十万、数百万単位の割引等あり得ないことですし、今だけ足場代、高圧洗浄代は無料です、等もどこか別の所で必ず加算されており、結果、他の会社より高くなる場合もあります。

そういった甘い言葉や、不安を煽る言葉には特に注意し、一人では決めず、家族としっかり話し合ってから契約を行う事をオススメします。

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