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雨漏りの原因と応急処置のやり方

雨漏りは塗装で直るほど簡単ではありません!

多くの方が「雨漏りしたから塗装して直そう」と考えていますが、塗装では雨漏りの根本的な解決にはなりません。塗装で偶然止まったとしても、再発することが多いです。

そのため、雨漏りしている場合は、目視調査や散水調査、赤外線カメラなどを使い、原因部分を特定して、しっかり補修することをオススメします。

ここでは、雨漏りの原因や、応急処置について説明しています。

雨漏りの原因

「雨漏り」は、建築物のどこかから雨水が漏れて家の中に垂れて落ちてくることを言います。

雨漏りの原因は、「ほとんどが屋根からですよね?」と多くの方が勘違いしています。現在は、屋根材の品質や工事技術が進んでおり、屋根からの雨漏りは少なくなりました。そのため、全体の割合で言うと外壁や窓のサッシなどから水が浸入するケースが多いです。

雨水が屋根をつたって滴り落ち、壁の欠損しているところから侵入すると、専門の資格や知識があっても特定がとても難しいです。

また、水が垂れてくる場合も、どこを見ても欠損しているところが見つからず、調べた上で漏水や結露が原因のパターンもあります。雨漏りと漏水、結露では、修理方法も変わります。

このように雨漏りは特定箇所が難しい場合や、雨漏りだと思っていたものが漏水や結露だったということがあるため、調査が難しいです。

では、雨漏りの原因について説明します。

■経年劣化

築年数が多いほど、屋根材のズレや割れが起こります。外壁にはヒビが入るので、そこから雨水が浸入して雨漏りを引き起こします。

■地震や台風などの自然災害

災害によって建物がダメージを受けると、屋根や外壁にヒビが入り雨漏りが起こります。そのままにしておくと、台風などの強風や豪雨が来ると雨漏りすることが多いです。

■新築時の施工不良

新築で家が建ったばかりなのに、稀に雨漏りしているという事があります。その原因のほとんどは施工不良です。元々の施工方法が悪いと、ヒビや亀裂が入って雨漏りすることがあるのです。また、家屋のヒビによって雨水が入り、建物が腐敗する原因になってしまいます。

水道管の詰まりも、施工方法が悪いことで起こることがあります。新築なのに、雨漏りが起こるときは施工不良を疑ってください。

■リフォーム後の施工不良

建物を増築するときなどの施工不良によって、雨漏りすることがあります。太陽光発電を付けるときにもその可能性があります。新築時よりも、見落としてしまう場合があるので注意してください。

雨漏りが発生しやすい箇所

■屋根からの雨漏り

●屋根材の破損、浮き
屋根材の破損や浮きで隙間ができると、雨水が入って雨漏りの原因になってしまいます。雨漏りしなかったとしても、屋根材の隙間から雨水が入り、防水シートが濡れてしまうと、さらに劣化が進んでしまいます。

問題なく見えても、細かな隙間から雨水が入り、雨漏りの原因になることがあるのです。

●棟板金、雨押え板金のコーキング
棟板金が強風などで浮いてしまうと、隙間から雨水が浸水して雨漏りが起こります。棟板金は、屋根のてっぺんで屋根材を繋ぐ板金です。屋根材の繋ぎ目のところが谷型になっている板金を、谷板金と呼んでいます。

これらの板金をまとめて雨押え板金と言い、板金部分のコーキングが劣化して剥がれると雨漏りが起こります。劣化したコーキングは全て取り除き、新しいコーキングにすることでこの箇所からの雨漏りは防げます。

●縁切りの施工不良
スレート屋根を塗装するときは、スレートとスレートの間に塗料が入り込んでしまい、それが乾燥すると隙間が塞がった状態になってしまいます。雨水を排出するために、隙間の塗料を切る作業が必要です。この雨水の通り道を作る作業を「縁切り」と呼んでいます。

縁切りをしない状態の屋根は、雨水の通り道がないので、雨漏りを引き起こします。

昔は、縁切りといって屋根を剥がしていましたが、現在はタスペーサーという道具を使い、雨水の通り道を作ります。

屋根に降った雨水はスレートの重ね目の隙間を通り抜けることで、屋根内部に溜まらず排出されるような構造になっています。

●瓦屋根の下地の漆喰(しっくい)部分
瓦屋根の下地には漆喰が充填してあり、雨や風の影響などによってヒビが入るともろくなり、次第に崩れていきます。そのままにしていると、漆喰の隙間から雨水が入り雨漏りが起きます。

●天窓、トップライト、出窓
天窓は屋根の一部で雨や風にさらされています。天窓から雨漏りした場合は、直接室内に雨水が落ちてきます。補修だけで済むこともありますが、周りの瓦をはがして問題を探すなど大工工事を必要とする場合もあります。

●太陽光発電や太陽光温水器等の設置
太陽光を取り付ける場合は、屋根に穴を開けてボルトで固定する方法と、屋根に穴を開けないで取り付ける方法があります。

屋根に穴を開ける場合、穴部分から雨漏りすることもあります。現在、取付工事を行ってから数年で太陽光取付けが原因の事例が多いです。雨漏りリスクの高い箇所なので、きちんとした処理が必要です。

●雨どいの詰まり、破損
雨どいが詰まると、雨水がうまく流れていかないため水漏れします。そこから水が外壁に伝わってしまい、内部に侵入し雨漏りを引き起こします。

雨どいの詰まりや、水漏れが起こった場合は早めに掃除や修理をしましょう。

■外壁からの雨漏り

●外壁の目地
サイディングの目地のシーリング材の劣化により、ヒビ割れや剥がれが起こると隙間ができ、そこから雨水が浸入します。雨漏りが起きると室内の壁に染みができてしまいます。

クロスが浮いてきたり剥がれたりしてきたら、外壁からの雨漏りを疑いましょう。

●外壁のヒビ割れ
外壁のヒビ割れは、横方向の場合には特に注意しなければなりません。

外壁に雨が当たるとき、外壁に付着した雨は下へ流れていきます。ヒビ割れが横方向だった場合は、雨水を受け止める部分が縦方向よりも大きいので、内部に水が入りやすくなってしまいます。

■陸屋根やベランダの防水からの雨漏り

●屋上の防水部分
屋上の防水効果も次第に落ちてきます。防水シートが劣化してヒビ割れしてくると、雨水が浸入し雨漏りを引き起こすことがあります。

特に平らな陸屋根は、雨が降ったときに通常の屋根よりも水はけが悪いので、防水効果が切れると雨漏りを引き起こす可能性が高いです。

●ベランダや排水の詰まり
ベランダのゴミ、枯れ葉などが排水口に詰まったり、施工不良により排水口の流れが悪いと雨漏りの原因になります。排水口はこまめに掃除しましょう。

また、ベランダの床が経年劣化により防ヒビ割れや剥がれが起こると、雨漏りの原因になります。

■サッシの枠からの雨漏り

窓枠を壁にはめるときに、隙間ができます。それを充填するシーリング材が雨風や紫外線などで経年劣化で傷んだり、サッシを固定するビスなどが緩んだり、変形することで雨水が浸入します。

戸建住宅は、システムキッチンやバスルームにも窓が付いていることが多いので、注意してください。

雨漏りの応急処置する方法

雨漏りすると、放っておいてよくなることはありません。そのため、専門業者に調査してもらい、根本から直す必要があります。ただ、根本は直せなくても応急処置はできるので、その方法を説明します。

■天井からの雨漏り

バケツ、新聞紙、雑巾などを用意しましょう。新聞紙や雑巾の上にバケツを置いて、床が濡れないようにします。バケツ単品だと、水が跳ねて床が濡れてしまうことがあります。

■窓やサッシからの雨漏り

雑巾とゴミ袋を用意し、カーテンがある場合は取って、ゴミ袋を敷き雑巾で水分をふき取りましょう。

■トタン屋根、陸屋根からの雨漏り

雨漏り箇所が特定できる場合は、防水テープを使って応急措置できます。まずは被害箇所を掃除しましょう。水分、油分などの汚れはきれいにふき取り、テープの粘着性を上げましょう。

注意点は、テープ同士が重ならないようにすることと、雨水の流れる方向の逆方向に空気を入れずに貼ることです。被害箇所のみに貼りましょう。

■コーキング材を使った応急処置

雨漏りの箇所を特定できている場合は、コーキング材を使用するのが有効です。ただし、一般家庭だと用意するものが多いです。コーキング材、コーキングガン、マスキングテープ、カッター、プライマーなどが必要になってきます。コーキング材にも、種類はいくつかあるので、修理箇所に適したものを使い分けることが必要です。

まずは、雨漏り箇所を掃除して、被害箇所の周りにマスキングテープを貼りましょう。マスキングテープは、コーキング材が被害箇所以外に付着するのを防ぐために使います。

コーキング処理をする前に、効果をアップするためにプライマーを塗ります。しっかり乾かし、被害箇所をコーキング材で埋めましょう。この時、コーキング材が乾く前にマスキングテープを剥がしましょう。

■ブルーシートを使う

雨漏り箇所を特定できない場合は、ブルーシートを広範囲に被せましょう。ブルーシートを固定するために土のう袋を使用します。この場合は、細かい砂ではなく目の粗い砂利などを詰めましょう。

細かい砂の場合は、雨の時に泥水となって滴り落ちてくるからです。また、ロープなどで固定するのは、他の箇所を傷つける原因になるためオススメしません。

雨漏りの専門業者


・被害箇所が分からない
・原因が分からない
・雨漏りが何度も起こる

このような状態のときは、自分で解決するのは難しいです。必ず業者に依頼しましょう。

業者によっては、散水テスト、赤外線カメラなどを使い原因箇所をしっかりと特定してくれる業者もいます。目視調査で原因がわからない場合は、散水テスト、赤外線カメラを使って調査してもらうことをオススメします。

原因が見つかれば、後は雨漏りしないように工事をします。工事内容は、新しい屋根材に交換したり、ヒビ割れ補修、コーキング補修などです。

雨漏りは起こる前に、点検をすることもオススメしています。雨漏りが起こった後、被害が広がった場合は天井の張り替えなど大規模な修理が必要となり、点検よりも費用が多くかかってしまうこともあるからです。

屋根は雨漏りの原因箇所として多いですので、5年に1度は点検を行うと良いと言われています。業者に定期的なメンテナンスを依頼することは、長い目でみると費用も抑えられることがあるので、メリットにもつながります。

まとめ

雨漏りの原因は、

・経年劣化による建築材のズレ、ヒビ割れなど
・地震や台風などの自然災害
・新築時の施工不良
・リフォーム後の施工不良

などがあります。

屋根からの雨漏り以外にも、外壁のヒビ割れ(特に横ヒビ)、サイディングや窓枠のコーキング部分、雨どいの詰まり・破損などなど、色々な原因で起こります。

雨漏りの根本的な原因を探すのは、プロでも難しく、目視調査で分からない場合は、散水調査や赤外線カメラ調査を行い雨漏り箇所を調べます。

雨漏りは、一度はじまると、そのままにしておいて良くなることはないので、プロの業者に依頼することをオススメします。

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