塗装は何回塗りするのか?
メーカーによって定められた塗膜の厚みや塗り回数を守ることが重要です!
外壁・屋根塗装は見た目を綺麗にするだけではなく、建物を保護したり防水性を高める役割などがあるため、定期的にメンテナンスすることが大切です。
ただ、塗膜本来の性能を発揮するためには、ただ塗るだけではなく、メーカーによって定められた塗膜の厚みや塗り回数を守ることが重要です。
基本は3回塗り
外壁・屋根塗装の塗り回数は、下塗り、中塗り、上塗りの基本3回塗りです。業者によっては下塗り、上塗り×2回と表現している場合もありますが、行う作業は同じになります。
■下塗りの目的
下塗りの目的は主に3つあり、1つ目は「中塗り、上塗り塗料の密着性を高めるため」です。下塗り塗料は接着剤のような役割を果たし、より塗料の密着性を高める機能があるため、下塗りが不十分の場合、塗装が剥がれやすくなってしまいます。
2つ目は「塗装面を整えるため」です。素材や劣化状況によっては凹凸ができてしまい綺麗に塗ることが難しいため、下塗りをして塗装面を塗装ができる状態にしていきます。
3つ目は「塗料の吸い込みを抑えるため」です。劣化した外壁材や屋根材は、塗装をすると塗料をスポンジのように吸い込んでしまうため、そのまま塗装しても塗膜に厚みがでません。
そこで、まず初めに下塗り塗料を吸い込ませることによって、中塗り、上塗り塗料が吸い込まれるのを防ぐことができます。
■中塗り、上塗りの目的
中塗り、上塗りは基本的に同じ塗料を使用し、中塗りは塗料の性能を発揮させたり、上塗り塗料の密着性を高める目的があります。
上塗りは塗膜に厚みをだして、より耐久性や防水性などの保護機能を高める目的があります。また、同じ塗料で2回塗装することで、ムラにない仕上がりになり、紫外線や雨風などに耐える強度も生まれます。
3回以上塗るケース
■劣化が激しい場合
前述の通り、劣化している外壁材や屋根材は塗料を吸い込んでしまうため、下塗りをして吸い込みを防ぎます。
しかし、劣化が激しい場合は、下塗りを行っても塗料の吸い込みが収まらないため、吸い込みが収まるまで下塗りを2回~3回ほど行うことがあります。
■塗料メーカーの規定
塗料は商品によって使用量や塗り回数が異なり、メーカーの規定によっては、3回以上の塗ることを定めているものもあります。
きちんと定められた回数を塗ることで、理想的な塗膜の厚みがでて、塗料本来の機能を十分に発揮することできます。
■3回以上塗る工法
3回以上塗る必要がある工法には「複層弾性仕上げ」「目地張り付け仕上げ」「サイディング2色塗り分け仕上げ」などがあります。
それぞれ機能性やデザイン性に優れている工法で、塗装の方法は異なりますが、合計で5回以上塗る場合もあります。
2回塗りのケース(クリヤー塗装の場合)
クリヤー塗装とは、元々ある模様やデザインを残すために透明な塗料で塗装する方法で、この場合は下塗りを行わないため2回塗りとなります。
塗り回数は多い方がいいの?
塗装は定められた回数で行うことによって、塗膜に一定の厚みがでて塗料の機能が発揮できるため、ただ塗り回数が多いほうが良いということではありません。
悪徳業者の中には「多く塗れば耐久性が上がる」「塗装が剥がれなくなる」などと言い、塗り回数が多いのが良いことかのように話す人もいますが、それは間違いです。
繰り返しになりますが、塗料は規定通りの回数を塗ることがとても重要なので、多く塗りすぎるときちんと塗膜が機能しない可能性があります。さらに、塗り回数が多い分、高い金額を請求する業者もいるので注意が必要です。
まとめ
外壁・屋根塗装は3回塗りが基本となり、下塗り、中塗り、上塗りそれぞれとても重要な役割があります。手を抜いてしまうと塗料の機能が十分に発揮されず、早期劣化や美観の低下にも繋がるので、適正な方法で塗装することが大切です。
また、塗料や工法などによっては2回塗り、もしくは3回以上塗るケースもありますが、悪徳業者の中には意味もなく塗り回数を多くして契約しようとしたり、高い金額を提示してくることがあるので注意しましょう。