外壁材の種類と特徴
外壁材の種類と特徴
住宅のイメージを大きく左右する外壁材には、色々な種類やデザインがあります。
住宅のイメージを大きく左右する外壁材には、色々な種類やデザインがあります。日本の気候は、強い陽射しや梅雨時の大雨など、厳しい環境にいつもいるので、見た目だけでなく機能性も考えなければなりません。ただし、そうは言っても外壁材によってたくさんのデザインと種類があり、どれが一番いいのか悩む方は多いと思います。
外壁材には、一般的にサイディングボード・モルタル・タイル・ALC・RC(コンクリート)などがあります。ここでは、主な外壁材の種類と特徴についてご説明していきます。
●目次
・サイディング
-窯業系サイディング
-金属系サイディング
-木質系サイディング
-樹脂系サイディング
・モルタル
-リシン
-スタッコ
-ジョリパット
-吹き付けタイル
・ALC(軽量気泡コンクリート)
・RC(鉄筋コンクリート)
サイディング
外壁に貼る仕上げ材の総称です。価格が手頃なこと、デザインや機能が優れていることから現在は全国的に多く使用されています。
■窯業系サイディング
セメントなどを原料とし、繊維質の原料を加えて成型したものです。現在の一般的な住宅で最も多く取り入れられています。密度が高く硬質であるため、遮音性・防耐火性・耐震性などに優れています。商品のバリエーションも豊富で、価格も幅広いので低価格で施工できるのもポイントです。
最近では紫外線を防ぎ、日焼けや色褪せなどを抑え耐候性を高める塗装や、親水性のコーティングを用いるといった商品もございます。窯業系サイディング(ボード)は、商品に合っている表面の塗装及びシーリングのメンテナンスが重要になります。
「色褪せ」「カビや藻」「ヒビ割れ」「チョーキング」などが見られたら再塗装を検討した方がいいでしょう。
■金属系サイディング
表面はスチール板などで施し、裏には断熱材が入っているサイディングです。金属板を成型し、表面・接続部の加工を施した建材です。表面材は、ガルバリウム鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板などがあります。
特徴は、断熱性や防水性・防音性が高いこと、ヒビ割れや凍害などに強い、軽量で建物に負担がかからないことなどが特徴です。金属の持つシャープなデザインのものだけではなく、レンガ調や石積調などのデザインもみられ、商品も豊富に揃っています。
「チョーキング」「赤サビ、白サビの発生」「旧塗膜の浮き・剥がれ」などが見られたら再塗装を検討した方がいいでしょう。
■木質系サイディング
環境に優しく、断熱性能も高い天然木に塗装を施したものです。使用する樹木の種類も様々なバリエーションがあります。自然素材が好みの方々からも人気です。木質系サイディングは、メンテナンスをしっかりすれば大分長持ちはしますが、水に弱い・腐ってしまうなどのデメリットもあります。
それで水に強い加工を施すと、せっかくの風合いや質感を感じにくくなってしまいます。色も汚れや経年劣化により変化しやすいです。味わいが出てくるという考えの方もいれば、すぐ色褪せてしまうので嫌だと考える方もいます。
塗替えのタイミングは、色が落ちてきたなと思ったらだと言えるでしょう。メンテナンスがこまめにできて、環境に優しく生活したいたいと言う方には木質系サイディングがオススメでしょう。
「チョーキング」「赤サビ、白サビの発生」「旧塗膜の浮き・剥がれ」などが見られたら再塗装を検討した方がいいでしょう。
■樹脂系サイディング
リフォーム用の建材として塩化ビニル樹脂を原料とし、北米で生まれた外壁材になります。樹脂ポリマー製なので劣化しにくく、塩害・凍害・酸性雨に強いです。錆や腐食の心配もありません。また軽量で施工性に優れていて、大がかりなメンテナンスも不要のため、長期的に見ると経済的です。
ですがまだ日本ではあまり普及していません。デザインがまだ少ないなどの理由もあげられるのではないでしょうか。
デメリットは、音を隔てる力が弱いので外の音が他のサイディングと比べると聞こえやすいです。耐火性も窯業や金属に比べると劣ります。
モルタル
モルタルは、水と砂(細骨材)、セメント等を練り合わせて製造された、耐火性の高い素材です。ラス等の上からモルタルを左官コテで塗り付け、塗装して仕上げます。デザインの自由性に優れていて、思い通りの目地を入れたり、タイルを貼り付けたり、様々な形状の外壁を作ることができます。
■リシン
昔からある仕上げ法で、骨材(細かい砂や石)に樹脂やセメント、着色剤を混ぜたものを吹き付けて施工します。そのため艶が無く表面がザラザラして砂壁のような仕上げになります。落ち着いた外観になるため、和風住宅にも合うでしょう。比較的安価なため、新築にもよく使われています。
デメリットは、防水性に劣ることと薄付きなので耐久性に乏しく、ヒビ割れしやすいです。ヒビ割れを防ぐ弾性リシンというものもありますが、普通のリシンよりも若干汚れやすいのでまだまだ発展途中であるといえます。
■スタッコ
こちらもリシン同様に昔からある仕上げ法です。外見のイメージはリシンよりもやや厚めになりますので、高級感があるように演出できます。5~10mmという厚さで吹き付けた後、ローラーやコテ、刷毛などで表面に凹凸をつけていきますので、技術が必要であることは間違いありません。
厚めに吹き付けることで、耐久性も高められています。スタッコの上にシリコン塗料を塗ったり、弾性のスタッコもあります。
スタッコ仕上げのデメリットは凹凸部分に汚れがつきやすいという点です。外壁の汚れは目立つものなので、こまめな洗浄を心掛け綺麗に保つ事を意識しましょう。
■ジョリパット
耐久性、防カビ性、防火性などに優れた外壁材で、粘りがあるのが特徴となっています。内装用と外装用として広く使われています。水で薄めて吹き付け仕上げに用いたり、ローラー・コテ・ハケで仕上げたり、自由度が高いと言われています。
ジョリパットは耐久性に優れているので、高親水性により雨水での汚れも付きにくい性質があります。色褪せしにくいのも特徴です。ひび割れもしにくいのも特徴で、塗膜が高い弾性と柔軟性を持っているので、微細なひび割れを吸収してくれます。
サイディングの場合は誰が施工しても同じデザインに仕上がるのですが、ジョリパットは塗り方によって表情を変えますので、職人にとっては腕の見せ所と言えます。
■吹き付けタイル
塗料を吹き付けて、表面に凹凸を作って仕上げるもののことです。一般的にイメージに浮かび上がるタイルを張り付けるとうものではなく、塗料の吹き付けでタイル状の表面に仕上げているというものです。
下塗りからベース吹き付け、模様吹き付けの工程を経て、仕上げにローラーやコテなどを使用して1~5mm程度の厚さで凹凸を作ります。水洗いもでき、汚れにくく、ひび割れもできにくいという特徴もあります。
現在は、伸縮率をアップさせてひび割れを防止する弾性塗料も増えています。色は自由に選ぶことができるので、複数の色を使用してタイルを作ることもできます。
ALC(軽量気泡コンクリート)
軽量気泡コンクリートとも言われており、多くの気泡空間を持つ構造になっています。コンクリートと言うと硬く重いイメージがありますが、ALCは軽石のような見た目と軽さを持ち合わせています。
ALCは熱の伝導率が低く、抵抗率が高いので他の外壁材の断熱性能に比べて優れています。他に耐火性・遮音性にも優れていますが、水分を吸いやすいので、雨水等が外壁内部に侵入しやすくなります。
塗装をしっかり掛けた上で防水性を持たせることが重要です。
RC(鉄筋コンクリート)
砂(細骨材)と砂利(粗骨材)と水をセメントに練り合わせたものです。強度があり耐震性に優れていて、耐火性、遮音性、耐久性共に優れた外壁を作ることが可能となっています。
磁器タイルを貼り付けた仕上げ、コンクリートの素地のままの打ちっぱなしなどの仕上げも行うことができます。デザイン性にも優れております。
強度はもっとも強いですが、防水効果が落ちるとコンクリートの内部に水が染み込んで、改修が必要になってしまう場合がありますので、早めの対策が必要です。