外壁塗装でクーリングオフする方法と手順
悪徳業者に泣き寝入りをしない為にも、クーリングオフ制度を知ることが重要です!
「明日までに契約をしていただければお安くします」「今すぐ外壁塗装をしないと大変なことになりなすよ」などと、言葉巧みにお客様を惑わす悪徳業者は後を絶ちません。
クーリングオフ制度とは、悪徳業者の被害にあってしまった方への救済措置として作られた制度です。
このページでは、外壁塗装でクーリングオフする方法と手順について説明します。
クーリングオフ制度とは?
クーリングオフとは、定められた期間内であれば、無条件で契約を解除できる制度です。
訪問販売では突然営業マンが突然訪問し、冷静に判断できない状態のまま、気が付くと契約をしてしまうケースが多くあります。そういった悪徳な業者から消費者を守る目的として、特定商取引法で定められた制度のことです。
以下の条件を満たしている場合、クーリングオフをすることが出来ます。
・クーリングオフの内容が記載された契約書を受け取ってから8日以内であること
・契約者側が電話やメールで問い合わせをし、業者を呼び寄せていないこと
・業者の事務所(店舗)で契約を行っていないこと
・個人が法人と契約をしていること
書き方と流れ
■ステップ1.クーリングオフ通知を書面に書く
クーリングオフ通知の書面には特に形式の決まりがなく、葉書や封書、FAXで出すことが出来ますが、必ず何らかの形で業者へ通知する必要があります。
書面を手書きで作成する場合には、文字を消すことが出来ないペンで記入しましょう。
クーリングオフ通知書に記載する項目は、以下の通りです。
・タイトル:「通知書」や「契約解除通知書」など
・契約日:契約書に記入されている日付
・契約会社名、担当者名(クレジット会社名):契約書に書かれている会社名と担当者名
※クレジットカード払いにした場合は、支払先に指定しているクレジット会社名も一緒に記入します。
・契約した商品名:契約書に書かれている「○○様邸 ○○塗装工事」などの工事名
・契約金額:契約書に書かれている契約金額
・契約解除したいの旨の意志表示:「契約を解除します」「クーリングオフします。」など
・申出日:クーリングオフの申し出を行う日付
・氏名、住所:契約者ご自身の氏名と住所
書いた書面をそのままポストへ投函してしまった場合、業者が通知書を捨ててしまう可能性があります。
そのようなことをするような業者は少ないですが、確実に証拠を残すために内容証明郵便を使い書面を業者へ送るようにしましょう。
■ステップ2.業者にクーリングオフ通知の書面を送る
通知書を送るためには、書面が業者に届くまでの8日間以内でなければいけないと誤解をされている方もいらっしゃいますが、それは間違いです。クーリングオフをする場合、送付日が契約日より8日以内であれば有効となります。
つまり、契約日から8日以内に郵便局へ行き書類を提出することさえ出来れば、業者の手元に到着したのが8日以降であってもクーリングオフが適用されます。
通知書を送る前には、証拠として文面をコピーし必ず手元に保管しましょう。
記入した通知書を郵送する場合、特定記録郵便、簡易書留、書留などで送りましょう。そうすることで、郵送した記録を残すことが出来るので証拠としても有効です。
また、悪質な業者の場合、通知書が送られてきたにもかかわらず、書面を受け取らないという状況も考えられます。そういった状況に備えて、通知書を郵便局で送る際、内容証明を使用するのがおすすめです。
内容証明とは、「どのような内容の書面を誰から誰宛てにいつ送付したのか」ということをが日本郵便が公的に証明してくれる制度です。
内容証明は全ての郵便局で行える訳ではなく、集配郵便局あるいは支社が指定した郵便局に限られています。事前に、内容証明を使用することが出来る最寄りの郵便局を確認しましょう。
内容証明を使用する場合、以下のルールを守り通知書を作成します。
・書面は必ず3つ同じものを用意する
「業者への送付分」「ご自身の控え分」「郵便局が保管分」として全く同じ書面を3つ作成します。
・文字数や行数には制限がある
縦書きか横書きかは自由に記入できますが、1枚に書ける文字数や行数には決まりがあるので注意が必要です。
また、文字を記入する際は、「、」「。」などの句読点も1文字としてカウントされます。カッコの場合は2つで1文字扱いとなります。
ただし、カッコを項目として使用する場合、カッコ内の文字もあわせて1文字としてカウントされます。
例えば、「(1)商品名」と記入した場合、「(1)」で1文字となり、全ての文字数は4文字としてカウントされます。
縦書きの場合:「1行20文字以内×1枚26行以内」
横書きの場合:「26字以内×20行以内」「20字以内×26行以内」「13字以内×40行以内」のいずれかで記入しなければいけません。
・使用できる文字は限られている
使用できる文字は、ひらがな、漢字、カタカナ、数字となります。英字に関しては、社名や商品名などの固有名詞に限り使用することができます。
・文字の訂正方法
万が一、文字を書き間違えてしまった場合、間違えてしまった文字の上に、もとの文字が見える様二重線を引きます。
二重線の上に訂正印を押印し、そばに正しい文字を記入します。書面の余白には「○行目○文字削除、○文字加入」などと記入します。
郵便局に提出する際に、訂正をしなければいけないケースも考えられます。郵便局に書面を出しに行くときには、ご自身の印鑑を必ず持参しましょう。
・書面が2枚以上になる場合には契印が必要
書面が2枚以上になる場合は、各書面にまたがるように押印をする「契印」をしなければいけません。
内容証明郵便で書面を送る際には、配達証明や本人限定受取などのサービスを併用するのもとても有効です。
配達証明書とは、いつ送り先へ届けたのかを日本郵便が証明してくれるサービスです。
内容証明では、書面を「送った」という証明はできますが、送付先にその書面が「届いた」かまでは証明できません。そのため、内容証明郵便で送る場合は一緒に配達証明をつけるのが一般的です。
本人限定受取とは、送り先に指定されている人物にのみ郵便物を渡すサービスのことです。
個人宛に内容証明を送る場合、本人限定受取をつけることによって、仮に業者が「自分以外の人が受け取り、捨ててしまった」などと言い逃れをされる心配がありませんし、もし、業者が書面の受け取りを拒否した場合は、「クーリングオフ妨害」という行為に該当します。クーリングオフ妨害が行われた場合には、クーリングオフ期間がさらに8日間延長されます。
クーリングオフ期間が過ぎても契約解除をできるパターン
原則としては。クーリングオフ期間が過ぎてしまうと、クーリングオフをすることは出来ません。しかし、以下のような状況の場合であれば、工事着工後であってもクーリングオフは可能です。
■契約書を業者からもらっていない場合
契約書をもらっていない場合は、そもそもクーリングオフ期間がスタートしていないと見なされるため、いつでもクーリングオフすることが出来ます。
■契約書等にクーリングオフについての注意書きをしていない等、書類に不備がある場合
通常クーリングオフについての注意書きは8ポイント(2.812mm)以上の赤字で記載され、契約時に業者からクーリングオフについての説明を受けなければいけません。
■「この契約はクーリングオフ出来ない」「一生メンテナンスが必要ない」、などの事実と反する事を言われた場合
業者に嘘をつかれ、クーリングオフ期間が過ぎてしまったり、事実とは異なる説明を受けて契約をしてしまった場合には、期限に関係なくクーリングオフすることができます。
こんな場合はクーリングオフできないので注意!
上記では、期間が過ぎてしまっていでもクーリングオフができる事項を説明しました。しかし、クーリングオフ期間内であっても、以下のような状況では適用されません。
・契約者側が電話やメールで問い合わせをし、業者を呼んだ場合
・契約者側が業者の店舗に行って契約した場合
・過去1年間に取引のあった業者との間で締結した契約
・正しい契約書で契約をしてクーリングオフ期間(8日間)を過ぎてしまった場合
・日本以外の場所で契約をした場合
事前に業者へ、カタログの請求や工事の見積りを依頼をしたり、業者の店舗へ自ら足を運び契約をしてしまった場合は、訪問販売には該当せずクーリングオフの対象外となってしまうため注意が必要です。
自分で書くのが不安な場合
クーリングオフ通知は、自分で作成することが可能です。しかし、ご自身契約状況はクーリングオフが該当するのか、自分で作成した通知書に不備がないか心配をされている方は、以下の三者機関へ相談することをおすすめします。
■住まいるダイヤル
国土交通大臣から指定を受けた公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターによる、住宅専門の電話相談窓口です。
■消費生活センター
地方公共団体が設置する行政機関で、リフォーム以外にも様々なトラブルに対応している相談窓口です。
■行政書士や弁護士など法律の専門家に相談する
内容証明の作成や送付などを代わりに行ってくれます。費用は掛かりますが、専門家の立場で、契約内容を確認し問題点を見つけてもらうことが出来ます。
また、業者からの妨害を受け交渉がこじれてしまいそうな場合などには、弁護士に力を借りることをおすすめします。法律事務所には、初回の相談を無料で受け付けているところも多くあります。まずは、メールや電話で相談をしてみましょう。
まとめ
クーリングオフをする方法と手順、注意点について説明させていただきました。業者側からすれば、クーリングオフされてしまうと大きな不利益をを追わなければいけなくなります。
そのため、申し出を受けた際に、「これからお宅にお伺いしますので、それからお話ししましょう」などと、直接会って考え直すよう説得をしようとしたり、恫喝するなどクーリングオフを妨害しようとする悪徳業者も残念ながら存在ます。
仮に、クーリングオフが適用されない場合であっても、消費者契約法や民法によって、不適切な方法で結ばれた契約は解除することができます。一人で悩まず、少しでも不安に感じることがあれば、すぐに第三者機関へ相談し問題を解決しましょう。