高圧洗浄の費用・相場
外壁塗装や屋根塗装において、汚れを洗い流す「高圧洗浄」は欠かせない作業の一つです。
お客様の中には「汚れを落として綺麗にするだけならば省いてしまってもいいんじゃないの?」と仰る方もいらっしゃいますが、これは間違いです。
高圧洗浄は、壁や屋根から跳ね返った水しぶきがたくさん飛びますし、お家の周囲がずぶぬれになってしまったり、御近所様にも少なからずご協力いただくことがあります(飛散防止シートの設置等)
御近所様に協力してもらってまで高圧洗浄をする理由とは?
・水道代はいくらくらい?
・作業時間はどのくらい?
など…このページでは、高圧洗浄について、事前に知っていていただきたいことを、ご説明していきます。
高圧洗浄を行う目的
外壁や屋根の表面の塗膜は、毎日屋外で紫外線、雨風、ほこり、排気ガス、場所によってはコケや潮風、花粉などにさらされているので、年月の経過に伴って劣化していきます。では、劣化することによってどうなるのか?
壁が突然ポロっと取れたりはしません。劣化によって、少しずつ塗膜が粉化していくのです。ガードレールを触った時に、手が白くなったことはありませんか?それと同じで、壁や屋根も劣化が始まると、粉化した塗膜が手に付着するようになります。この劣化現象をチョーキングと言います。
チョーキング現象が起きたまま、高圧洗浄をせずに塗装してしまうと、壁と塗料の間に劣化した塗膜が残り、せっかく塗った新しい塗膜も一緒に剥がれてしまい、本来の性能を出せなくなってしまいます。
チョーキング現象がなければ高圧洗浄は省いていいのでは?というとそういうわけでもありません。先程言ったように、チョーキングだけではなく、ほこり、花粉などの微粒子が残ることで、壁と塗膜の間に隙間ができてしまい、塗料の効果を下げてしまうことになります。
塗料の本来の性能を生かす目的で、高圧洗浄を行います。中には「高圧洗浄はなくても大丈夫です」などと説明をする業者があるかもしれませんが、オススメはしません。
「高圧洗浄を行わずに塗装した結果、1年と経たずに塗装がはがれてしまった…」なんていうご相談もございます。そうなると、お金をかけて施工しても、結局同じような値段をかけて補修しなおすことになる可能性もあります。
外壁、屋根塗装における「高圧洗浄」は、ただ単に「綺麗にするため」というよりは「塗料本来の性能を発揮できるように、古い塗膜や汚れ等を薄くそぎ取る」というイメージになります。
高圧洗浄は、水道から直接引っ張ってきている、というイメージがあるかと思います。実際は、バケツやタンクに水を貯めておき、そこから機械で吸い上げた水を内部で圧縮し、圧縮された水を勢いよく発射しているという仕組みになっています。
高圧洗浄機がこのような仕組みになっているのは理由があります。実は、水道に直接つないでも水の出が高圧洗浄機に追い付かず、安定して高圧の水を噴射できないからです。
高圧洗浄作業の費用相場
洗い方などに関わらず、外壁塗装における高圧洗浄の単価相場は、屋根でも外壁でも1㎡あたり100~300円に収まるべきです。
外壁面積が一般的な住宅の100~120㎡だと仮定した場合、高圧洗浄の総費用は安くても10,000円、高くても36,000円ぐらいに収まると考えられます。中には無料などという業者もいますが、先述した通り、無料の場合別のところにお見積り金額を盛り込んだ状態で提出されることがあります。
さらに、相場の1㎡あたり100~300円を上回るような高額費用を見積もられた場合は、ぼったくり業者や悪徳業者の可能性を視野に入れなくてはなりません。
高すぎる場合だけではなく、無料などという業者にも十分注意しましょう。
高圧洗浄の大まかな流れ
高圧洗浄の作業は外壁と屋根合わせて7~8時間かかりますので、工程の1日を高圧洗浄のみで消化するのです。その後、季節にもよりますが、最低でも1日(24時間)、できれば2日(48時間)乾燥時間を作ってから次の工程にはいります。
基本的な工程としては、足場設置→高圧洗浄→下地処理→塗装→コーキングが正しい順序ですが、コーキング材が劣化している場合、本来の順序通りに高圧洗浄を行ってしまうと、水が外壁下地に浸水したり、高圧洗浄によってさらに建物にダメージを与えることになってしまいます。
コーキングの劣化がひどい場合は、高圧洗浄前にコーキング補修作業を行います。優良会社であれば、打ち合わせの段階で確認や、工程表でのお知らせ等あります。このような提案等がない場合や、高圧洗浄中にボロボロのコーキングに気付いた時は、根本的な工程表の見直しをお願いするべきです。
高圧洗浄の注意点
■注意点1.乾燥期間を十分に取らない業者は注意!
高圧洗浄を行った場合には、乾燥期間が必要です。なぜ、乾燥期間が必要なのか?それは、塗料と外壁の間に水が入ってしまい、ふくれを引き起こす原因となるからです。せっかく汚れを綺麗に落としたのに、乾燥期間が不足すると塗料を密着させることができません。
乾燥期間は、一般的には2日間設けられています。季節によって乾きやすい場合でも、最低で24時間は乾燥させないと外壁はしっかりと乾きません。
乾燥した季節ではないにも関わらず、乾燥期間を十分にとらない塗装業者は注意しましょう。水の乾く速さは塗装業者の腕に関わらず、空気の乾燥状態に左右されるものです。
逆に、乾燥期間を十分に取らない塗装業者は腕がイマイチであることを意味しています。高圧洗浄後の乾燥期間中に雨が降った場合でも、乾燥しやすい季節であれば工程表通りに進めることもあります。心配でしたら、依頼している塗装業者に問い合わせてみるといいでしょう。
■注意点2.高圧洗浄しても全ての汚れを除去することはできない
高圧洗浄は、外壁におけるコケなどの汚れをほとんど落とせますが、汚れと言っても、様々な種類があります。吹き曝しになっている部分なので、どんな汚れがついていてもおかしくはありませんし、雨が当たる部分とそうでない部分によっても、汚れ具合は異なります。
家の中のように、常にこまめに掃除をするところではないため、非常に頑固な汚れも存在します。業者に高圧洗浄を行ってもらったにもかかわらず、落とし切れていない汚れがある場合もありますが、必ずしも塗装業者の腕が悪いというわけではありません。
汚れ具合によっては、高圧洗浄以外の方法を提案されることもあります。その時は、なぜその方法が必要なのか?しっかりと確認を取ってから判断するようにしましょう。
高圧洗浄の水道代について
■水道代は高圧洗浄費用に含まれるの?
高圧洗浄費用に含まれません。水道代は家主負担となります。
■具体的にどのくらいかかるの?
業者によって使う高圧洗浄機が違うため、多少前後しますが、ここでは吐出水量(出す水の量)を毎時600リットルとします。
例:朝から夕方まで10時間ほどかけて高圧洗浄作業を行う場合
使用する水道量は、10時間で6,000リットルとなります。
6,000リットルをペットボトルの値段に換算してしまうと、6万円前後になりますが、水道代はペットボトルに比べて非常に安いため、高額にはなりません。
各水道局によって、ばらつきはありますが、東京都23区の場合は、税込み1,556円という事なので、おおよそ、2000円以内に収まるような費用となります。また、10時間続けて水を出しっぱなしにするわけではないので、それよりもさらに安くなると考えられます。
水道代を家主負担、といわれると身構えてしまいますが、日本の水道代が安いので、数千円程度の負担で済みます。
■外壁、屋根以外も洗浄してもらえるか交渉してみましょう
せっかく高圧洗浄をしてもらえるいい機会なので、塗装をしない部分も洗浄してもらえるかどうか、お見積りの際に聞いてみましょう。業者によっては断られてしまう場合もありますが、それも含めて検討材料にすると良いかもしれません。
※断られたからと言って、悪い業者というわけではなく、破損等のトラブル回避のため、洗浄してくれる業者は一部です。見積等で打ち合わせていない箇所を洗浄する義務がないため、無理にお願いするのは避けておきましょう。
まとめ
高圧洗浄の必要性はご理解いただけたでしょうか?塗料の性能を十分に発揮させて、塗装後のトラブルを減らすためにも、高圧洗浄は行う事をオススメします。
また、「無料で高圧洗浄します」や、相場より高い値段を掲示してくる業者には注意しましょう。
打ち合わせの際に確認しておくと安心なのは、乾燥期間、乾燥期間中に雨が降った場合工期はどうなるのか、外壁・屋根以外も高圧洗浄を行ってくれるのか、など聞いておくと安心です。